増患・増収支援TOP > chapter9.予防の患者さんをどう確保するか

特別企画 クリニックの増患・増収を考える

chapter6.広告戦略について

歯科医院を経営するにあたって、予防の患者さんの確保も課題の一つだと思われます。今月はこの点について、鈴木理事長のお考えをお伺いします。宜しくお願いします。

宜しくお願いします。
10年前の歯科医師は矯正の患者さんをいかに増やすかということに頭を悩ませていました。矯正をする人の割合は人口の3%と言われていますので、新規の患者さんが100人いらっしゃれば、矯正を考える人は3人から4人程度ということになります。そして、一人の患者さんの矯正に100時間をかけるということになれば、新患が200人のところは一人の矯正医師が診療できる限界になるでしょう。

矯正専門の歯科医師を確保するだけでも大変になりますね。

地域の歯科医師全体で協力体制を築かなくてはいけなくなりますからね。それでも、矯正を行っていくためには歯科医師による営業も大事になってきます。その点、予防の患者さんを集めるにあたっては歯科医師の関与は少なくて済みます。私どもではスタッフが自主的に行っています。

スタッフが自主的に行動するためには、どんな教育が必要なのでしょうか。

昨年11月にお話ししましたように、スタッフのインセンティブを高めるような給与体制をまず組むことです。そのようなスキームがあれば、スタッフがリピート率を向上させる取り組みを行ってくれるんです。

松伯会でのリピート率はどのぐらいですか。

私どものリピート率は90%程度ですね。そもそも最初から歯石掃除に来ようとする方は極めて少なく、月に10人程度しかいません。これはどこのクリニックも同じではないでしょうか。
私どもでは特に虫歯治療のあとのリピートに力を入れているんです。

一般的にリコールを促す場合はハガキを使っている歯科医院が多いですよね。

50円をかけてハガキ、80円をかけて封書の郵便を使ったとしても、患者さんがいらっしゃる可能性は高くはありませんので、そこまで有効ではないと思います。

電話はいかがですか。

郵便だけというよりも、郵便と電話の組み合わせの方がいいかもしれません。

では、松伯会ではどのようにしていらっしゃるのですか。

経費をかけないという意味も含めて、最後の診察を終えた時、その場で次回の予約を入れていただくようにしています。
初診から100日以内に次回の診察を行えば初診にはならないことをほとんどの患者さんはご存知ありません。私は1カ月を目安にして、次回の予約をお願いしています。

どんな言葉がけをされているのですか。

私がよく言うのは「予後が診たい」ということですね。または「噛み合わせが診たい」とも言っています。また、「3カ月空けてしまうと、スケーリングで出血することがありますよ」と言うこともありますよ。
単にリピートの率を上げるというよりは、やはり処置後の経過がどうしても気になるので、必然的にお声がけしてしまいます。

次回までは間隔を空けない方がいいのですね。

間隔を空けてしまうと、患者さんのモチベーションも下がってしまいます。長くなればなるほど患者さんは遠ざかっていく気がしています。早期に予後の悪化を発見することができれば患者さんの負担も少なくなります。
そして、何度もリピートをしてくださった患者さんにはホワイトニングを無料で行うなどのサービスも提供しています。

予防の患者さんを確保するためには、スタッフの意識の改善、歯科医師が言葉がけを工夫して、その場で次回の予約を入れていただくようにすることなどが大事なんですね。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

1954年に静岡県浜松市に生まれる。1978年に京都大学法学部を卒業後、三井銀行に入社する。1989年に三井銀行を退社し、東京医科歯科大学歯学部に入学する。1996年に東京医科歯科大学歯学部を卒業。1998年に東京都江戸川区小岩にフラワーロード歯科を開業。その後、昭和通り歯科、京成小岩歯科、ひらい南口歯科(江戸川区平井)、イーフラット歯科(江東区亀戸)、西小岩通り歯科(江戸川区西小岩)、ゆうゆうロード歯科(千葉県市川市)、アフタヌーン・デンタル小岩(江戸川区小岩)、アフタヌーン・デンタル五反野(足立区弘道)、アフタヌーン・デンタル東十条(北区東十条)を開業。2009年に11軒目の歯科医院となる5丁目歯科を葛飾区亀有に開業する。
地域や貴院の特性を踏まえ最適な自由診療を提案いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい

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