増患・増収支援TOP > chapter7.院内環境について

特別企画 クリニックの増患・増収を考える

chapter6.広告戦略について

今月は増患や増収を目指すうえで、院内環境をどう整備していくかについて、伺います。宜しくお願いします。

宜しくお願いします。診療所を設置するにあたっては、午前中に直射日光が当たるところは避けた方がいいですね。それから、午後3時から5時に西陽が当たるところも良くないです。

どうしてですか。

日光が当たると、塗料が剥げてしまうんです。シャッターも早くみすぼらしくなってしまいますし、そのたびごとに変えるとなると、余計なコストが発生しますね。 赤外線遮断フィルムを貼ったとしても、3年で寿命が来てしまいます。私どものグループでも、診療所によっては2年で取り替えています。

自動車よりも劣化が激しいんですね。

自動車は常に動いていますから、日光を浴びるだけの建物とは違いますね。診療所に庇を取り付ける場合は占有許可が必要ですから、容易ではないんです。

院内の明るさに関してはいかがでしょうか。

基本的に外よりも明るくした方がいいんです。コンビニエンスストアでものがよく売れるのは店内が外よりも明るくしているからですよ。明るさを抑えている店舗は購買に繋がっていないと言われているぐらいです。

増患さんのためには、診療所も明るさが必要なんですね。

そうです。しかし、個室を中心にして、クラシック音楽を流しているような歯科医院は高級イメージと捉えられます。今は飲食店も同様で価格が高いと、お客さんが来ませんから、結果的に経営が苦しくなっています。そこで、客単価を上げることで稼いでいこうとすると、続かないんですね。

自費診療がメインですと、客単価を上げざるをえないですよね。

美容整形外科も同様ですね。トヨタのように高額商品を扱っているところなら分かりますが、一人5万円のスナックとか、一杯4000円のラーメンなんてありえないでしょう(笑)。歯科も同じことなのです。

自費診療に頼ると、良くないということでしょうか。

普通の患者さんがいらっしゃらないのに、高額医療で稼ごうとする発想自体が良くないのではないでしょうか。よく「溺れる者は藁をも掴む」と言いますが、溺れそうになるから藁を掴むのであって、溺れそうにならなければ、藁なんて掴む必要性がありませんよね(笑)。
開業にあたっては、インプラントやレーザーの業者の言うままにならないことが大事ではないでしょうか。そうしないと、結果的にご自身が最先端医療の餌食になってしまうかもしれません。

院内を設計するにあたって、動線はどうすべきですか。

動線で患者さんは来ません。たまに、動線にこだわりたいという歯科医師がいますが、あなたは建築のプロなのですかと言いたいぐらいです(笑)。

松伯会グループには小さな規模の歯科医院もありますね。

12坪しかない物件もありますよ。その物件の設計をするときに、スタッフが患者さん用とスタッフ用のトイレを別に作ろうとしていたので、止めました。トイレを分けるぐらいであれば、防音壁を作ればいいのです。患者さんはトイレの音が外に聞こえないことを望んでいるのですから、診療スペース同様に鉛を入れた壁をトイレに設置することをお勧めしますよ。

トイレを1カ所にする分、スペースが確保できますね。

狭いトイレは誰でも嫌ですからね。コートを脱いで、フックにかけても、コートが膝に当たらないぐらいのスペースは確保したいものです。また、歯科の場合、女性の患者さんは診療後にお化粧直しをされますから、洗面スペースも必要となるんです。

では、広い物件を探した方がいいということですか。

いえ、そうゆうことではありません。だだっ広いところよりは狭いところの方がいいんです。窮屈なスペースの方が患者さんは落ち着くんですよ。
贅沢なホテルに行きますと、部屋にしろ、トイレにしろ、やたら広くて、寂しいでしょう(笑)。一方で、グッチなどのブランドショップに行きますと、広いスペースがあるにも関わらず、陳列棚をうまく配置し、適度な空間を作り出していますよね。

歯科でしたら、そこまでのスペースは必要ないですものね。

歯科医師1人、歯科衛生士2、3人の規模であれば、狭い方がいいとおもいます。
私どもの診療所の中には診療スペースを全体の半分まで縮めたところもありますよ。残りはスタッフルームにしているんです。

待合室でお待ちいただくためのソファはどの程度、用意したらいいでしょうか。

ソファなら、2、3脚でしょう。今は多くの歯科医院が予約制ですから、4、5人がお待ちになれれば、十分ではないでしょうか。必要以上に広い待合室は高い家賃を払うことになりますね。

来月はスタッフへの待遇について、伺います。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

1954年に静岡県浜松市に生まれる。1978年に京都大学法学部を卒業後、三井銀行に入社する。1989年に三井銀行を退社し、東京医科歯科大学歯学部に入学する。1996年に東京医科歯科大学歯学部を卒業。1998年に東京都江戸川区小岩にフラワーロード歯科を開業。その後、昭和通り歯科、京成小岩歯科、ひらい南口歯科(江戸川区平井)、イーフラット歯科(江東区亀戸)、西小岩通り歯科(江戸川区西小岩)、ゆうゆうロード歯科(千葉県市川市)、アフタヌーン・デンタル小岩(江戸川区小岩)、アフタヌーン・デンタル五反野(足立区弘道)、アフタヌーン・デンタル東十条(北区東十条)を開業。2009年に11軒目の歯科医院となる5丁目歯科を葛飾区亀有に開業する。
地域や貴院の特性を踏まえ最適な自由診療を提案いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい

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