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特別企画 クリニックの増患・増収を考える

chapter6.広告戦略について

今月は増患、増収を目指すうえでの広告戦略について、伺います。宜しくお願いします。

宜しくお願いします。まず、広告戦略について知っておいていただきたいのは自分の診療所からどこまで離れたところの患者さんに訴えたいのかということです。50キロ離れたところに住む患者さんと500メートル離れたところに住む患者さんなら、500メートル離れたところに住む患者さんの方をターゲットにすべきでしょう。
ただし、その診療所にしかない治療ができるというのであれば、患者さんは遠くからでもいらっしゃいます。ある難病治療で有名な診療所があるのですが、小岩駅からタクシーで1000円ぐらいかるぐらい不便な場所にあるにもかかわらず、全国から患者さんがいらしています。他にはない治療ができれば遠方の患者さんも来て頂けるんです。けれども、そういう特殊な診療所は多くありません。

それでは、一般の医院や歯科医院の場合、ホームページをどう展開すればいいのでしょうか。

患者さんが診療所のホームページをなぜ見るのかというと、診療の特殊性を知るためや開院時間を知るためです。また、口コミサイトを見る理由は診療所の評判を知るためです。ただ、最近はある飲食店の口コミサイトが「サクラ」で問題になったように、インターネットの信頼性は落ちていますね。
そこで、自院のホームページを作るのであれば、内容や表現を十分に考慮する必要があるのではないでしょうか。たとえば、「中国の方もどうぞ」とか、「生活保護の受給者の方もどうぞ」という表現はインパクトありますね。医科であれば、「小中学生は無料」というのもお勧めです。東京では小中学生は無料なのが当たり前なので、保健所は怒りたくても怒れないんです(笑)。

駅の看板はいかがでしょうか。

基本的に駅を利用するのは通勤・通学者ですよね。自宅の最寄り駅で歯科の看板を見つけても、仕事帰りの時間に診療を行っていなければ、集患には繋がらないのではないでしょうか。住宅街で5時に終わる歯科には働いている人はまず行けないでしょう。したがって、顧客の動く時間帯に合わせた広告が大切なのです。

電柱広告も同様でしょうか。

電柱広告は色や枠、デザインが決められているので、突出した広告にはなりえないですね。目に飛び込むというインパクトに欠ける分、効果は薄いかもしれません。

折込チラシの効果はどうですか。

現在、新聞を購読している家庭は40%だと言われています。以前と比べると相当減っています。このうち朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞の読者が過半数を占めるでしょう。ご存知の通り土曜日や日曜日の朝刊には多くの折込チラシが入ります。東京都内であれば、40枚は入ります。ここに診療所のチラシが一枚、入ったとしても、効果は40分の1×20分の1で800分の1しかありません。高い広告費を払ってもその程度の広告効果しか見込めないのであれば、道を歩いている人に現金を渡した方がいいかもしれませんね(笑)。何事もバリューフォーマネーを考えなくてはいけないのではいけないんですね。

費用対効果ということですね。

月に6万円の広告費ですと、年間72万円になりますね。広告効果は1:20が理想といわれています。つまり、1万円の費用に対して、20万円以上の売上がなければ、当たりとは言えないんです。そこで、斬新な広告を展開することを考えてみましょう。

どのような広告でしょうか。

私どもが15年前から行っているのが当時ではめずらしい有機EL液晶を使った宣伝パネルです。色味はピンク、グリーン、ブルーしかないのですが、ぴかぴかと点滅するので、非常にインパクトがあるんです。私どもではガラスの内側に設置し、外を歩く歩行者に向けて保険診療の目安をお伝えしていますが、患者さんは皆さん、「すごい」とおっしゃいますね。

ユニークですね。

窓ガラスに乳白色のシールを貼って、プロジェクターから環境ビデオを流すというのもいいですね。広告は何を広告するのかといった内容も大事ですが、媒体そのものが突出していることが決め手になります。たとえば、大阪で有名な飲食店の「かに道楽」は巨大な蟹が動くという斬新さがありますよね(笑)。かに道楽の認知度は全国レベルで高いのではないでしょうか。突出した媒体を使うのも戦略の一つだと思います。

色によるインパクトも大事ですね。

駅から診療所までの道で印象に残る建物はスーパーマーケット、コンビニエンスストア、金融機関のATMであることが多いはずです。それぞれ、広告戦略に長けている企業ですね。
銀行で言えば、みずほ銀行の青色は効果的だと言われています。いわゆるカラーリング戦略と呼ばれているものです。その点、歯科は媒体の使い方が弱いので、専門のコンサルタントのアドバイスを受けた方がいいでしょう。

診療所のカラー戦略ですね。

電鉄会社でも、緑、黄色、オレンジなど、それぞれカラーがありますよね。京成電鉄と京急電鉄の相互直通運転がスムーズに受け入れられたのはそれぞれの車体のカラー赤で似ていたからだという話も聞いたことがあります。そう考えると、小田急電鉄とJR総武線や東急東横線と京成電鉄なんて、無理でしょうね(笑)。したがって、診療所のカラーを決める際にはどんな診療所にしていきたいのかを含めて、慎重に検討すべきだと思います。

来月は診療所の院内環境をどう整えていくかについて、伺います。宜しくお願いします。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

1954年に静岡県浜松市に生まれる。1978年に京都大学法学部を卒業後、三井銀行に入社する。1989年に三井銀行を退社し、東京医科歯科大学歯学部に入学する。1996年に東京医科歯科大学歯学部を卒業。1998年に東京都江戸川区小岩にフラワーロード歯科を開業。その後、昭和通り歯科、京成小岩歯科、ひらい南口歯科(江戸川区平井)、イーフラット歯科(江東区亀戸)、西小岩通り歯科(江戸川区西小岩)、ゆうゆうロード歯科(千葉県市川市)、アフタヌーン・デンタル小岩(江戸川区小岩)、アフタヌーン・デンタル五反野(足立区弘道)、アフタヌーン・デンタル東十条(北区東十条)を開業。2009年に11軒目の歯科医院となる5丁目歯科を葛飾区亀有に開業する。
地域や貴院の特性を踏まえ最適な自由診療を提案いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい

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