ひとくち税務・経営講座>知っておきたい税務用語:第1回 予算実績管理について
知っておきたい税務用語
第1回
予算実績管理について
予算実績管理とは・・・
予算実績管理とは、予算(計画)と実績を比較して達成の状況を確認し、乖離が生じた場合には原因の分析と改善をしていくことで予算(計画)達成を管理する事です。
予算(計画)が達成されない時に、問題を早期に抽出して迅速に対応ができるという利点があります。
会計の分野では、事前に計画された年間の収支予算と試算表などに現れる実績について毎月比較・検討を行い「計画の通りに経営が行えているか?」「ズレが生じた場合にいかに軌道修正するか?」を確認するための経営管理手法として活用されています。
PDCAサイクル
予算実績管理を行うには「PDCAサイクル」を回していくことが必要です。
PDCAサイクルとは、一連の活動を次の4つのサイクルで管理していくフレームワークのことです。4つのサイクルを繰り返して継続的な改善を図ります。
Planについては、「今月の売り上げ○○円を達成する」といった目標設定だけでは十分ではありません。目標達成に向けた具体的な行動計画も立てる必要があります。せっかくの計画も「どうすればいいの?」となってしまっては行動に移ることが出来ません。
収入面の目標設定であれば「○○円を達成するためには、○人患者数(レセ単価)を増す必要があるので○○に取り組むことによって実現する」というような行動計画もしっかり盛り込んで予算を作成します。
さらに、計画には経営者自身の経営方針を反映させることが重要です。自身の想いを込めた計画と、単に形式だけの計画では、実行に移す際の取り組みに大きく影響が出ます。
計画が十分に達成できないと全体の士気も下がってしまい、計画達成がますます遠のく事態にもなりかねません。「今年はこの目標を実現したい」「3年後にはこんな医院にしたい」などの想いをしっかり込めることで実効性の高い計画に仕上げます。
Plan(計画)に基づいてDo(実行)したあとは、結果をCheck(分析)します。
計画が達成できなかった時には「なぜ予定通りにならなかったのか?」を分析して改善すべき問題点を抽出します。そして、抽出された問題点への対策検討を行いAction(改善)することで軌道修正を図りながら計画達成を進めていきます。
このように一連のPDCAサイクルを継続的に回していくことで、更なる目標へ向かうことができるのです。
また、PDCAサイクルは、会計数値の管理に限って使用されているものではありません。医療現場でも課題や問題の解決のために活用されています。
医療業界を取り巻く様々な経営環境の変化により、病院や診療所の経営も決して楽なものではなくなりつつあります。
「今の経営成績に満足できない」、「さらに事業を成長させていきたい」、「今後も安定経営が続けられるか心配だ」など、そんな想いをお持ちの場合には予算実績管理の導入をご検討してみてください。