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特別企画 クリニックの増患・増収を考える

chapter1.歯科医院を取り巻く環境

これから1年に渡って、医院、歯科医院がどのように増収、増患を図っていくべきか、お話を伺ってまいります。どうぞ宜しくお願いします。

 宜しくお願いします。現在の科学は、過去には誰も信じなかったような事がある日突然認知、証明されて、かつて孫悟空が産毛を吹いて沢山の分身を造ったことが今ではips細胞によって実現されようとしています。がんですらワクチンで治りそうな時代です。このように以前は知りえなかったことがあっという間に認知され普及し、当たり前のように用いられるようになりました。このように科学が劇的に進化していく時代の中で、クリニックの経営も社会の変化に合わせていく必要があると思われます。

社会は随分と変わりましたね。

 飛行機内が完全に禁煙になったのは1999年頃と言われています。まだ最近のことなんですね。この数年の間に世の中は大きく変わりました。
 私が歯科医師になった15年前は、イトーヨーカドーは夜8時に閉店していました。それが普通でした。私どもは夜10時まで診察していたので、仕事が終わった社員の方々に来ていただいていたのですが、今はイトーヨーカドーも10時までは当たり前で、場所によっては深夜1時まで営業しています。あれほど大きな会社でさえ、仕事帰りの方々を迎え入れようとしているんですね。働き方も変わり、朝6時から勤務する方や夜勤の方もいるというシフト制も採用されるようになりました。ライフスタイルが変わったからこそ、クリニックの経営戦略もライフスタイルに併せる必要があるのではないでしょうか。
 北原国際病院や中国での病院マネージメントなどをされている北原茂実理事長が「東大医学部で学んだことは10年経ったら、99%が使えなくなる」と言われていました。歯科医師の技術は医科ほどの速度で変わっているわけではありませんが、周囲の環境が変わっている以上、新しい観点で増患、増収という戦略を持つ必要があると思われます。

鈴木理事長が歯科医師になられた頃と今とでは、歯科医師を取り巻く環境はどう変わりましたか。

 私が歯科医師になった15年前は、歯科医師が主役のトレンディドラマがあったんですよ。石田純一さんあたりが主役で、ジャガーに乗って、六本木で遊んで…というイメージでした(笑)。でも最近のトレンディドラマでは歯科医師の姿を見かけません。医師のドラマは多いですよね。患者さんの立場に立ったものだったり、救急医療を扱うものだったり、内容は様々ですが、歯科医師はドラマには出ても、主人公ではありません。歯科医師のステータスや社会的なプレゼンスは、下がってきているのかもしれません。一方で、歯科医院の数は非常に多いのです。

歯科医師のステータスや社会的なプレゼンスが下がっているというのは衝撃的です。

 開業するときに信用金庫ではなく、都銀で借りようとする先生がいます。でも、メガバンクなら十億以下の売上なら新人に担当させますし、50億円以下は中小企業以下の扱いで、売上が相当額ないと企業として認められません。1000億の売り上げの会社でさえ、まあまあの会社扱いです。歯科医院の年間売上はおおむね3000万円から4000万円ですから、不動産会社の売り上げとしたらマンションが1軒売れる程度です。工務店でも毎月1軒の家を建てれば、年商5億円になりますね。歯科医院は歯科医師とスタッフ2人の計3人の事業体であり、金融業界から見ると零細企業です。出入りの内装屋さんや、工務店の方が遥かに大きな事業内容です。だから、背伸びをして都銀と付き合っても駄目なのです。売上4000万円しかないのに、4000万円の融資はできませんよね。飲食店にならまず貸さないでしょうし、歯科医院もリスクのない商売ではありません。歯科医院自体は大きなビジネスではないのです。そのポジショニングを分かっていない先生方が多いように思います。歯科医院の多くは月300万円ほどの売上なのですから、そこが自分たちのポジションだと認識することが必要ですね。

鈴木理事長はカーナビを使って、歯科医院の数をカウントなさるそうですね。

 若い歯科医師の方も車を持っているなら、是非カーナビで近隣の歯科医院を探してみてほしいですね。先日、私は亀戸でやってみました。半径2キロの中に産婦人科は78軒ありましたが、歯科医院は液晶になかなか出てこないんです。あり過ぎて集計に時間がかかって出てこないんですね(笑)。結果として、800軒以上がヒットしました。ラーメン屋さん以上の数でしたね。
 銀座でも1丁目から7丁目までの中に700軒以上の歯科医院があると言われています。1丁目ごとに100軒ですよ。カーナビのほか、電話帳やグーグルマップで探す方法もあります。いつも若い先生方には「へこむぞ」と言っていますが、へこむところから始めてこそ、集患を考えることができるのだと思っています。

そんなに多くの歯科医院があるのですね。

 東京都内は半径2キロの中に、3万人から5万人の人口があります。この中に歯科が100軒あるとしても、頭割りの理論で言えば1軒に来る患者さんは300人だけです。のべで300人ですので、普通では勝てない商売なんですよ。したがって、半径2キロ内に歯科医院は5軒あれば十分で、100軒のうち95軒は不要ということになります。そこで斬新な集客が必要なのです。一歩出るのか、半歩出るのかというときに、生き残る歯科医院になるためには半歩ではなく、一歩前に出ないといけません。そこでまずはブランドイメージについて、考えてみましょう。

 私が三井銀行に勤めていたとき、都銀は全部で13行あり、三井銀行は資金力で8番目でしたが、ブランドイメージは常にトップ3に入っていたんです。三和や住友よりも上だったんですね。三井銀行は店舗を増やさずに、ブランドイメージを先行させる戦略に長けていたんだと思います。その後、何度かの合併を経て、今はメガバンクのトップ3に入っていますしね。銀行は金利でも預金でもサービスでも他行と明らかな差をつけることはできませんが、ブランドイメージで差をつけることができるのです。

差はどんなふうにつくのでしょうか。

 私は予備校講師の経験もあります。予備校では一人の生徒に5人の講師が数学を教えていました。国語の講師ですと、指導にアレンジメントが利きますが、数学はそういうわけにはいきません。どの講師がやっても、解法は同じで、出てくる答えも同じです。あとで解答を見てもどの先生も同じです。でも、講師の人気投票をすると、受講生が集まる講師なのか、集まらない講師なのかという明らかな差が出るんです。これは何なのでしょう。同じテキスト、同じ解答、でもアンケート人気は同じではありません。銀行も同じ金利、同じようにATMで下ろせるのに、銀行間格差があります。

 歯科医師も同様です。保険診療には大差がありません。無論下手なのは論外です。下手な料理人が店を出すのは論外ですから。歯科医師は上手くて当たり前です。答えられない数学講師が教壇に立てないのと同じですね。基本的に同じ治療をしていてもそこのブランドイメージの差で集客性が異なってきます。同じジュースを買うのでも特定のコンビニが伸びるのと同じです。では、どうしたら集客力のある歯科医院になるのでしょうか。これから幾つかの要因を考えようと思います。

次回は開業地選びについてお伺いします。宜しくお願いします。

1954年に静岡県浜松市に生まれる。1978年に京都大学法学部を卒業後、三井銀行に入社する。1989年に三井銀行を退社し、東京医科歯科大学歯学部に入学する。1996年に東京医科歯科大学歯学部を卒業。1998年に東京都江戸川区小岩にフラワーロード歯科を開業。その後、昭和通り歯科、京成小岩歯科、ひらい南口歯科(江戸川区平井)、イーフラット歯科(江東区亀戸)、西小岩通り歯科(江戸川区西小岩)、ゆうゆうロード歯科(千葉県市川市)、アフタヌーン・デンタル小岩(江戸川区小岩)、アフタヌーン・デンタル五反野(足立区弘道)、アフタヌーン・デンタル東十条(北区東十条)を開業。2009年に11軒目の歯科医院となる5丁目歯科を葛飾区亀有に開業する。
地域や貴院の特性を踏まえ最適な自由診療を提案いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい

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